冬場の大雪時チェーン規制区間表示でのチェーン装着が必須に
チェーン規制の意味が変更に
いままでチェーン規制が表示されている区間でも、スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤを装着していれば走行可能とされていました。
今冬からは、気象条件と場所により、チェーン装着の義務化が検討されています。
実際でもチェーンを携帯している車両が少ないうえに、一時停止してチェーンの脱着を行う作業場所も限られ、装着に時間もかかるためほとんどの車両がチェーン規制区間でも冬用タイヤで走行しています。
そのため、事故にいたらないまでも勾配のきつい坂や高架橋の途中でスタックして走行不能になる大型トラックや乗用車がレッカー救援待ちで道路をふさぐことが多くありました。
さらに近年の降雪量の増加によって、チェーン規制区間でチェーン未装着車の事故や走行不能が原因による渋滞が毎年のように発生することをうけて、特定のチェーン規制区間でのチェーン未装着車両の通行制限やペナルティ適用の実施を行うために省令の改正の方向となったようです。
これに伴い下記の「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」の規制標識が新設される方向となっています。
出典:国土交通省ホームページ 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令案について
(http://www.mlit.go.jp/common/001261404.pdf)
この省令の 公布・施行は平成30年12月上旬 が予定されています。
(追記)平成30年12月14日に公布・施行されました。
チェーン規制が検討される時期と場所
国土交通省 大雪時の道路交通確保対策の提言 中間とりまとめに基づいた チェーン規制に関しては、時期と場所が明示されています。
時期 どんな時にチェーン規制するか
大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪時となっています。
場所 どこでチェーン規制が行われるか
勾配の大きい峠部でこれまでに大規模な立ち往生などが発生した区間となっています。
具体的には、改めて知らせることとなっていますが、直轄国道6区間と高速道路7区間の全国13区間が想定されています。
出典:国土交通省ホームページ (http://www.mlit.go.jp/common/001264475.pdf)
国土交通省チェーン規制Q&Aページは、こちら
(リンク先https://www.mlit.go.jp/road/bosai/fuyumichi/tirechains.html)です。
チェーン規制区間でのチェーン装着の問題点
チェーン脱着場所の不足と冬用タイヤ判別時間の問題
一番の問題は、現状ではチェーン規制区間を走行する車両のチェーン脱着場所が確保されていないということですね。
チェーン規制区間が高速道路の場合ですと、規制区間前後のSAやPAで作業することとなるでしょうが、休日の混雑具合を見るとかなり不足するのではないでしょうか?
一般道路での脱着場所確保は現状のままですと不足することが目に見えていますね。(*1)
また、チェーン装着や冬用タイヤ規制を行う際の装着確認を1台ごとに目視確認するための時間の増加も考えられます。
これに関しては、国土交通省が「自動識別が可能なカメラ撮影・解析技術(夏冬タイヤ判別等)」の試験方法や評価方法に関する意見を公募するなど新技術開発に取り組んでいます。
出典:国土交通省ホームページ (http://www.mlit.go.jp/link.html)
(*1)大雪等緊急時の国道チェーン規制区間のひとつ国道8号線(福井県~石川県境のあわら市熊坂~笹岡区間)に対応するため、イオンリテール(株)、国土交通省、加賀市の三社でイオン加賀の里店利用(待避所として駐車場及びトイレの提供等)について覚書を交わしました。
出典:国土交通省ホームページ (http://www.hrr.mlit.go.jp/press/2018/01/190118kanazawa.pdf)
チェーン装着に不慣れ
降雪地帯に住んでいる方でも、最近は冬用タイヤを使用する人がほとんどで、かなりの積雪時でもチェーンを使用している車は見かけません。
このため、チェーン規制区間走行時にチェーン装着に手間取る方も多く出てくるのではないでしょうか?
また、チェーンは常時装着したままというわけにはいかず取り外さなければならない不便さもあります。
以前は、凍結や圧雪道路走行時にチェーンを装着した車がそのまま融雪の行われている市街地を走行し、チェーンが切れたまま大きな音を立てて走行している光景をよく見たものです。
タイヤチェーンの取り付け
チェーン規制区間でのチェーン装着が義務化となるなら、早めにチェーンの入手と脱着方法を覚えておきましょう。
雪道でのスタックや走行不能になったら早めのロードサービス
雪道でスタックして動けなくなったり、わだちを外れて路肩の雪山に突っ込み脱出できない場合は、早めのロードサービスコールがお勧めです。
脱出するための明確な手段を持たないまま脱出を試みても時間が経つばかりで状況が悪化することがほとんどです。
お役立ち情報 冬用タイヤの装着とタイヤチェーン携行の呼びかけ
全国の道路状況は、公益財団法人日本道路交通情報センター(URL:http://www.jartic.or.jp/)ホームページ内のリアルタイム交通情報のページから参照できます。
該当ページ最下段に、スマホアプリiHighway交通情報のダウンロード方法が掲載されています。