車のバッテリー交換を自分でする際の注意点|端子・固定ステー・火災防止
車のバッテリー交換を自分で行う場合は、端子の取り外し順、固定ステー、端子ナットの締め付け、バッテリーの適合などを正しく確認する必要があります。
一見すると簡単に見えるバッテリー交換ですが、取り付け方を誤るとショートや火花、電装品の損傷だけでなく、車両火災につながる場合があります。
特に注意したいのが、バッテリー固定金具の取り付け不良、端子ナットの締め付け不足、端子位置やサイズが適合しないバッテリーの使用です。
作業に不安がある場合は無理に自分で交換しないでください。
車種によってバッテリーの位置・固定方法・適合型式・交換後に必要な作業が異なります。必ず車両の取扱説明書・整備情報と、使用するバッテリーの取扱説明書を確認してください。
車のバッテリー交換を自分でする前に確認すること
次のような症状がある場合は、バッテリーの点検・交換を検討するきっかけになります。
- 以前よりエンジンの始動が弱く感じる
- ライトや電装品の動作に違和感がある
- 前回のバッテリー交換から時間が経過している
- 点検時にバッテリー電圧や劣化を指摘された
ただし、エンジンがかかりにくい原因が必ずバッテリーとは限りません。充電系統やスターターなど、別の原因が関係する場合もあります。
「以前も自分で交換できたから今回も大丈夫」とは限りません。車両や搭載バッテリーが変われば、端子位置、固定方法、必要な作業なども変わることがあります。
バッテリー交換の作業ミスが車両火災につながる場合があります
国土交通省の調査では、平成21年度に自動車メーカーから報告された事故・火災情報のうち、バッテリー付近から出火した車両火災が98件あり、そのうち28件はバッテリー交換作業に起因すると推定されています。
28件の内訳では、固定金具の取り付け不良によるものが14件、端子取付けナットの締め付け不足によるものが10件などとされています。
- バッテリー固定金具の取り付け不良
- 走行中の振動や衝撃によってバッテリーや固定金具が動き、端子などへ接触してショートする原因となる場合があります。
- バッテリー端子取付けナットの締め付け不足
- ターミナルとバッテリーポストの接触が不安定になり、スパーク(火花)が発生する原因となる場合があります。
- 端子位置が異なるバッテリーの取り付け
- 端子と金属部分が接触してショートする原因となる場合があります。
出典:国土交通省
バッテリー付近からの出火による車両火災に関する調査資料
バッテリー交換時の端子の取り外し・取り付け順序
一般的なマイナスアースの12V車では、バッテリー端子を取り外すときはマイナス側から、取り付けるときはプラス側から作業します。
- ケーブルを取り外す順序
-
1. マイナス側ケーブルを外す
2. プラス側ケーブルを外す - ケーブルを取り付ける順序
-
1. プラス側ケーブルを取り付ける
2. マイナス側ケーブルを取り付ける - 順序をまとめると
- マイナス → プラス → プラス → マイナス
作業中に工具などがプラス端子と車体金属部分へ同時に触れると、ショートする危険があります。
【注】
マイナス側端子を先に外すのは、作業中に工具などを介してプラス端子と車体がショートするリスクを減らすためです。リスクが完全になくなるわけではないため、工具の取り扱いにも注意してください。

バッテリー固定ステーの取り付けと締めすぎに注意
バッテリー交換では、端子だけでなくバッテリー本体を固定するステー・固定金具も重要です。
固定が緩いと、走行中の振動や衝撃によってバッテリーが動き、端子や固定金具が周囲の金属部分へ接触する原因となる場合があります。
一方で、「強く締めれば安全」というものでもありません。必要以上に締め付けるのではなく、車両や固定金具の整備要領に従い、バッテリーが動かない状態へ確実に固定してください。
バッテリーステーの締め付けトルクは一律ではありません
バッテリー固定ステーの締め付けトルクは、すべての車種で同じではありません。
車種・バッテリー搭載位置・固定金具の構造によって指定値が異なるため、このページでは一律のN・m値を掲載していません。
サービスマニュアル、整備要領書、車両メーカーの情報などに指定値がある場合は、その値に従ってください。
バッテリー端子ナットの締め付けにも注意
端子ナットの締め付けが不足すると、ターミナルとバッテリーポストの接触が不安定になり、走行中の振動によって緩みやスパークが発生する原因となる場合があります。
反対に、締め付けトルクは車種・端子・部品によって異なるため、必要以上に力を加えるのではなく、メーカー指定の方法・締め付け値がある場合はその指示を優先してください。
バッテリー端子の締め付けトルクは車種ごとに確認
「バッテリー端子は何N・mで締めるか」という質問がありますが、すべての自動車に共通する数値はありません。
車両の整備要領書やバッテリー・ターミナルのメーカー指定値を確認してください。指定値が分からない状態で感覚だけで締めることに不安がある場合は、整備工場などへ依頼する方が安全です。
交換するバッテリーの型式・端子位置を確認
新しいバッテリーは、容量だけでなく、サイズ・端子位置・固定方法などが車両へ適合している必要があります。
国土交通省も、端子位置が逆のバッテリーや、正しく固定できないサイズのバッテリーを使用しないよう注意を呼びかけています。
デリカD:5・ビアンテなども車名だけでバッテリーを選ばない
同じ車名でも、年式・車両型式・エンジン・仕様・寒冷地仕様などによって搭載バッテリーが異なる場合があります。
たとえば、デリカD:5やビアンテなどのバッテリーを交換する場合も、「車名だけ」で購入せず、車検証の型式・年式と、実車に搭載されているバッテリー型式を確認してください。
特にディーゼル車、アイドリングストップ車などは、車両仕様に適合したバッテリーを選ぶことが重要です。
自分でバッテリー交換するときの安全確認
作業を始める前に、少なくとも次の点を確認してください。
- エンジン・電装品を停止している
- 車両に適合した型式・端子位置のバッテリーを用意している
- プラス端子とマイナス端子を確認している
- 金属工具でプラス端子と車体を接触させない
- 固定ステー・固定金具を正しい位置へ取り付ける
- 端子ナットを適切に固定する
- 火気を近づけない
- バッテリー液があるタイプでは液漏れ・液量にも注意する
バッテリーから発生する水素ガスへ火花や火気が引火すると、破裂につながる危険があります。
ハイブリッド車やEVには高電圧系統があります。駆動用高電圧バッテリーには不用意に触れないでください。この記事で説明している一般的な交換手順は、主に通常の12V補機バッテリーを想定しています。
国土交通省が注意を呼びかけているバッテリー交換のポイント
- 新しいバッテリーは、固定金具を使って正しい位置に取り付ける。
- バッテリー端子取付けナットを工具で確実に固定する。
- 端子位置やサイズを確認し、車両に適合する型式のバッテリーを使用する。
出典:国土交通省ホームページ
バッテリー交換に関する車両火災防止資料
バッテリー適合型式を調べる方法
交換用バッテリーを購入する場合は、車検証の車両型式・年式・エンジンなどを確認し、バッテリーメーカーの適合検索を利用すると確認しやすくなります。
ただし、適合検索結果だけで判断せず、現在車両に搭載されているバッテリーの型式・端子位置も確認してください。
メーカーのバッテリー適合検索
バッテリー適合検索|Panasonic
車種・型式などから適合するバッテリーを確認できます。
適合バッテリー検索|古河電池
車種情報から適合するバッテリーを確認できます。
クルマ用バッテリー適合検索|GSユアサ
メーカー・車名・車両情報などから適合バッテリーを確認できます。
バッテリー交換に関するよくある質問
バッテリー交換は自分でもできますか?
一般的な12Vバッテリーを自分で交換できる車種もありますが、適合確認、端子の取り外し・取り付け順、固定金具、締め付けなどを正しく行う必要があります。不安がある場合は整備工場や出張交換サービスへ依頼する方がよいでしょう。
バッテリーを外すときはプラスとマイナスのどちらが先ですか?
一般的なマイナスアースの12V車では、取り外しはマイナス側から、取り付けはプラス側から行います。ただし、車両メーカーの整備要領がある場合は、その指示を優先してください。
バッテリー固定ステーは強く締めればよいですか?
強く締めればよいわけではありません。緩みがなくバッテリーが動かないよう確実に固定しつつ、車両・固定金具の指定方法や締め付け値がある場合はそれに従ってください。
バッテリーステーの締め付けトルクは何N・mですか?
車種や固定方法によって異なるため、一律の締め付けトルクはありません。車両の整備要領書やメーカー指定値を確認してください。
バッテリー端子の締め付けトルクは何N・mですか?
端子・車種・部品によって指定値が異なります。緩すぎると接触不良やスパークの原因になる場合がありますが、必要以上の締め付けも避け、メーカー指定値を確認してください。
デリカD:5のバッテリーは車名だけで選べますか?
車名だけでは判断しない方がよいでしょう。年式、型式、エンジン、仕様などによって搭載バッテリーが異なる場合があるため、車検証情報と実際に搭載されているバッテリー型式を確認してください。
アイドリングストップ車は普通のバッテリーへ交換できますか?
車両仕様に適合したバッテリーを使用してください。アイドリングストップ車などでは専用・対応バッテリーが指定されている場合があるため、メーカーの適合情報と実車の搭載型式を確認してください。
交換後に警告灯などが点灯した場合はどうすればよいですか?
車種によってはバッテリー交換後に初期化や設定確認が必要な場合があります。警告灯が消えない、電装品が正常に動かないなどの場合は、無理に使用を続けず販売店や整備工場へ確認してください。
バッテリー交換を自分で行うのが不安な場合
バッテリー交換は、単に古いバッテリーを外して新しいものへ載せ替えるだけではありません。
適合する型式の確認、端子位置、固定ステー、端子ナット、ショート防止など、安全に確認すべき項目があります。
交換手順や締め付けに不安がある場合は、無理に作業を続けず専門業者へ依頼してください。
バッテリー出張交換にも対応しています。
バッテリー上がりのタイミングで、バッテリー交換を出張で対応して欲しい場合にも緊急対応をしています。
バッテリー部品在庫と仕入れの可否にもよりますが、可能な場合は、24時間受付で緊急対応致します。
サービスの詳細は、バッテリー上がり救援24時間緊急出張を参照して頂くか、24時間いつでもつながる受付センターへお気軽にお問合せ・ご相談下さい。
