浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ向けて国土交通省から注意喚起が出ています
浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ
浸水や冠水に遭った車のバッテリー(ガソリン車 鉛バッテリー HV車・EV車の補機バッテリーや駆動用高電圧バッテリー)を使用することによる感電事故や車両火災の未然防止の為、国土交通省より注意喚起が行われています。
該当する場合は、国土交通省の該当ページを参照して、安全に対応してください。
バッテリー取り扱いに関する注意概要
水に浸った車両は、外観上問題がなさそうな状態でも、感電事故や、電気系統のショート等による車両火災が発生するおそれがありますので、以下のように対処して下さい。
1.自分でエンジンをかけない。
2.使用したい場合には、お買い求めの販売店もしくは、最寄りの整備工場にご相談下さい。特に、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)は、高電圧のバッテリーを搭載していますので、むやみに触らないで下さい。
3.なお、使用するまでの間、発火するおそれがありますので、バッテリーのマイナス側のターミナルを外して下さい。※外したターミナルがバッテリーと接触しないような措置(テープなどで覆う)をして下さい。
(注)JAF[一般社団法人日本自動車連盟]及びJAMA[一般社団法人日本自動車工業会]のHP において、同様の注意喚起がされておりますので、ご参照下さい。
・JAF のHP : http://www.jaf.or.jp/profile/news/file/2010_45.htm
・JAMA のHP : http://www.anzen-unten.com/home/a1/b1/trouble003.html
http://www.anzen-unten.com/home/carlife-all/carlife/index.html
出典:国土交通省ホームページ (http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr09_000100.html)
メーカーのハイブリッド車レスキュー時の取扱説明書
国土交通省からの上記「浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ」の広報は、2018年9月30日現在も掲載されています。
上記の内容とほぼ同じ内容が「<平成30年7月豪雨関連>大雨で浸かったクルマ、水が引いても使用しないで~ 平成30年7月豪雨の被害を受けて ~」の件名で平成30年7月9日に追加掲載されています。
出典:国土交通省ホームページ
(URL http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha09_hh_000189.html)
一方この状況に関する各メーカー側の情報としては、「レスキュー時の取扱い」説明書があります。
この説明書によると、水没に関するレスキュー時の取り扱いは各メーカー車種により異なる記述があります。
レスキュー時には、安全を確保するうえでも、車種対応の最新情報を確認する必要があります。
参考のため、下記に一部メーカー車種のハイブリッド車レスキュー時の取り扱い情報を抜粋いたしました。
トヨタハイブリッド車レスキュー時の取り扱い
7. 水没時の対応
ハイブリッド車両が水没した場合、車体には高電圧がかかっている可能性はな
く、感電の心配はありません。
出典:トヨタ ハイブリッド車 レスキュー時の取り扱い
(URL https://www.toyota.co.jp/jpn/tech/safety/technology/pdf/er2210j_prius_phv_2.pdf)
ホンダハイブリッド車レスキュー時の取り扱い
車両水没時、水の浸入による漏電で回路がショートすることにより、イグニッション系のヒューズやIMA バッテリのメイン ヒューズが溶断して高電圧が遮断されます。
水深が浅い、水の浸入による漏電が起きない部位の水没など、状況によって高電圧が遮断されない場合
もありますので、可能な限り 8 ページの「高電圧の遮断方法」に従って高電圧を遮断してください。
出典:ハイブリッド車レスキュー時の取り扱い
(URL https://www.toyota.co.jp/jpn/tech/safety/technology/pdf/er2210j_prius_phv_2.pdf)
スズキハイブリッド車レスキュー時の取り扱い
●水没時 ・高電圧ノくソテリー電解液およびその蒸気は、水(空気中の水分も含む】と反応して、酸 性の物質を生成する可能性があります。
電解液の揮発成分を吸入した場合は、ただち に換気が十分で新鮮な空気のある場所へ移動してください。
電解液が皮膚に触れたり 目に入ったときは、多量の水で良く洗い、すみやかに医師の診察を受けてください。
.ハイブリッド軍両が水没した場合、感電することはありませんが、可能であれば、7 ベージのr事故車取扱い判断フローチャート』に従って高電圧を遮断してくださいa
出典:スズキ SOLIOハイブリッド車 レスキュー時の取り扱い
(URL http://www.suzuki.co.jp/car/afterservice/rescuemanual/pdf/solio.pdf)
スバル ハイブリッド車レスキュー時の取り扱い
10. 水没時の対応
車両水没時には、感電のおそれがあるためサービスプラグをはじめ高電圧系部品・配線に触れないでください。
車両を完全に引き上げてから「ハイブリッドシステムの停止(P.12 ~)」に従って高電圧を遮断してください。
出典:スバル ハイブリッド車 レスキュー時の取り扱い
(URL https://www.toyota.co.jp/jpn/tech/safety/technology/pdf/er2210j_prius_phv_2.pdf)
日産|安全の取り組み|レスキュー時の取り扱い
ハイブリッド車及び電気自動車のレスキュー活動を行う際の、注意事項を記載しています。
本車両は作業の取り扱いを誤ると、感電など重大な傷害につながるおそれがあります。
安全に作業していただくために、事前によくお読みいただき、注意事項を遵守してください。
出典:日産|安全の取り組み|レスキュー時の取り扱い
(URL https://www.nissan-global.com/JP/SAFETY/RESCUE/)
【参考】車種ごとにレスキュー時の取り扱い資料が分かれています。
例)X-TRAIL T32型系車 レスキュー時の取り扱い
3. 水没時の対応
車両に損傷が無いことを確認します。
高電圧部品が変形・破損、又は内部露出している場合は絶縁保護具を着用の上、接触しないように注意しながらレスキュー作業を行ってください。
警告 感電のおそれがあるため、水中ではサービス・プラグをはじめ高電圧部品や高電圧ハーネスに触れないでください。
出典:X-TRAIL T32型系車 レスキュー時の取り扱いレスキュー時の取り扱い
(URL https://www.nissan-global.com/JP/DOCUMENT/PDF/SAFETY/RESCUE/RESCUE_X-TRAIL.pdf)
三菱 緊急時対応マニュアル
MiEV(電気自動車)及びアウトランダーPHEV(プラグインハイブリッドEV)、ディグニティ(ハイブリッド車)、デリカD:2(ハイブリッド車)の乗員救助ならびに事故処理等を行う際、安全に作業していただくための注意事項がございます。
事前に内容をよくご確認のうえ、注意事項を尊守してください。
出典:レスキューマニュアル
(URL http://www.mitsubishi-motors.co.jp/support/rescue/index.html)
【参考】車種ごとにレスキュー時の取り扱い資料が分かれています。
例)i-MiEV編
1) 車両に損傷がないか確認します。
以下の状態が確認された場合は、駆動用バッテリーやオレンジ色の高電圧配線に触れないように作業を行ってください。
① 車両の損傷が激しい場合
② 駆動用バッテリーが変形・破損したり、内部の部品が露出している場合
③ 駆動用バッテリーの損傷状態が把握できない場合
2) 車両を水から引き上げた後に車室内の水を排出して、絶縁保護具を着用してください。
3) 可燃性水素ガスによる火災を防止するため、車両を風通しの良い場所に移動し、すべての窓とドア、テールゲートを開放してください。
4) 駆動用バッテリーへの注水方法
出典:レスキューマニュアル i-MiEV編
(URL http://www.mitsubishi-motors.co.jp/support/rescue/pdf/i_MiEV_rescue_1705.pdf)
マツダレスキュー時の取り扱い
電気自動車ならびに、ハイブリッド車特有のレスキュー時の注意点について記載しています。
電気自動車ならびに、ハイブリッド車はレスキュー時の取り扱いを誤った場合、感電などの重大な傷害を引き起こし、最悪の場合、死亡に至るおそれがあります。
安全に作業していただくために、よくお読みいただき、注意事項を遵守してください。
出典:マツダレスキュー時の取り扱い
(URL http://www.mazda.co.jp/carlife/owner/advice/rescue/)
【参考】車種ごとにレスキュー時の取り扱い資料が分かれています。
例)AXELA HYBRID レスキュー時の取り扱い
(7) 水没時の対応要領 車両水没時は、高電圧バッテリーへの浸水の可能性があるため、以下の要領で処置してください。
1)処置要領
a 乗員救助作業 車両に損傷がないか確認します。
車両の損傷が激しく、高電圧バッテリーが変形破損又は内部が露出している場合や損傷状態 が把握できない場合は、絶縁保護具を着用のうえ、高電圧バッテリーに触れないように注意し ながら乗員救助作業を行ってください。
b乗員救助作業後の処置 車両引上げ後、室内の水を抜き、絶緑保護具を着用のうえ、サービスブラグを取りはずしてく ださい。
出典:AXELA HYBRID レスキュー時の取り扱いレスキュー時の取り扱い
(URL http://www.mazda.co.jp/globalassets/assets/carlife/owner/advice/pdf/rm002_axelahev.pdf)
Audiハイブリッド車用 レスキューサービスガイドライン
レスキュー時の取り扱い
ハイブリッド車は作業の取り扱いを誤ると、感電など重大な傷害につながるおそれがあります。
安全に作業していただくために、事前によくお読みいただき、注意事項を遵守してください。
製品仕様には変更があり得ますので、必要に応じて常に最新の情報をご利用ください。
ご注意:
レスキューサービス要員は下記の労働安全衛生法を含むレスキューの為の基礎教育を受けていることが前提となります。
基礎知識の無い状況での無理な救助は二次災害によるレスキューサービス要員の危険があります。
出典:ハイブリッド車用 レスキューサービスガイドライン
(URL https://www.audi.co.jp/jp/web/ja/service_accessory/info_top/hybrid_rescue.html)
【参考】車種ごとにレスキュー時の取り扱い資料が分かれています。
例)Audi A3 Sportback e-tron レスキュー時の取り扱い
車両の水没
i Audi A3 Sportback e-tron が水没した場合、通常は車体に電圧がかかっている危険はありません。
i 車両を引き上げた後、レスキューサービス要員は室内から水を抜いてください。車両での作業は、その後に行ってください
(緊急サービスに関する指示を遵守してください)。
! 水害などでじわじわ浸水した場合は漏電の危険性は少ないです。
ただし、土石流や津波などに巻き込まれ、車体そのものが激しく損傷している場合は、漏電の危険性があります。
出典:ハイブリッド車用 レスキューサービスガイドライン
(URL https://www.audi.co.jp/dam/nemo/jp/service_accessory/info_top/hybrid_rescue/151019_Audi_A3_e-tron_service_guideline_high_02.pdf)
本ページの記載情報は、2018年9月30日時点の情報です。