浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ向けて国土交通省から注意喚起が出ています
浸水・冠水した車両のユーザーの方へ
浸水・冠水した車は、外観に異常がなくてもエンジンをかけたり、パワースイッチを操作したりしないでください。
水に浸かった車両は、電気系統のショートによる車両火災、感電、エンジンやモーターの故障などが発生するおそれがあります。水が引いた後や車内が乾いたように見える場合でも、安全が確認されるまでは使用できません。
特に、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)、e-POWER車などは、高電圧システムを搭載しています。車両や高電圧部品にはむやみに触れず、販売店、整備工場、JAF、自動車保険のロードサービスなどに連絡してください。
浸水・冠水した車両への基本的な対応
- エンジンやシステムを始動しない
エンジンキーを回したり、プッシュスタート式のパワースイッチを押したりしないでください。ジャンプスターターやブースターケーブルによる始動も行わないでください。 - EV・PHEVを充電しない
浸水した電気自動車やプラグインハイブリッド車を充電設備へ接続しないでください。すでに充電ケーブルが接続されている場合も、車両や充電設備に異常があるときは自分で触らず、販売店や専門業者へ連絡してください。 - オレンジ色の配線や高電圧部品に触れない
オレンジ色のケーブル、駆動用バッテリー、サービスプラグ、破損して内部が露出した部品には触れないでください。 - 自分で運転・移動させない
一度浸水した車両は、運転できるように見えても電気装置やブレーキなどが損傷している可能性があります。移動が必要な場合は、車種と状態に対応できるロードサービスへ依頼してください。 - 販売店または整備工場で点検を受ける
再使用の可否は、車両のメーカー、車種、年式、浸水した深さ、真水・泥水・海水の別などによって異なります。必ず専門家による点検を受けてください。
車両から煙、異臭、異音、火花、液漏れ、異常な発熱などが確認される場合は、近づかずに安全な場所へ離れてください。火災や発煙が発生している場合は119番へ通報してください。
12Vバッテリーのマイナス端子について
国土交通省とJAFは、浸水した車両の火災防止措置として、12Vバッテリーのマイナス端子を外し、外した端子がバッテリーに接触しないよう絶縁する方法を案内しています。
ただし、この措置を一般ユーザーが行えるのは、高電圧システムを搭載していない一般的なガソリン車・ディーゼル車で、車両が安全な場所にあり、バッテリーの位置と取り外し方法を正しく把握している場合に限ります。
次のいずれかに該当する場合は、自分で端子を外さないでください。
- HV・PHEV・EV・FCV・e-POWER車などの電動車
- 動力方式やバッテリーの種類が分からない
- 車両やバッテリーがまだ水に浸かっている
- バッテリーが変形・破損・液漏れしている
- 煙、異臭、異音、火花、発熱などがある
- 端子の取り外し作業に慣れていない
判断できない場合は車両に触れず、販売店、整備工場、JAF、ロードサービスへ連絡してください。
浸水車両で火災や故障が起こる理由
- 電気配線や電子制御装置がショートすることがある
- キースイッチがOFFでも、一部の回路には電流が流れている
- エンジン内部に水が入った状態で始動すると、重大な損傷につながることがある
- モーター、駆動用バッテリー、インバーターなどが浸水している可能性がある
- 泥や塩分が残ることで、時間の経過後に腐食や漏電、発火が起こる可能性がある
特に海水に浸かった車両は、塩分によって電気配線や部品の腐食が急速に進むおそれがあります。水が引いてから時間が経過していても注意が必要です。
国土交通省・JAFの案内
- 国土交通省「浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ」
- 国土交通省「水深が床面を超えたら、もう危険!」
- JAF「台風・大雨時のクルマに関する注意点」
- JAF「自動車が冠水路や高潮で浸水してしまったら?」
メーカー別のレスキュー・緊急対応資料
自動車メーカーは、電気自動車やハイブリッド車などについて、車種・型式・年式別のレスキューマニュアルやレスキューシートを公開しています。
これらは主に消防、救助、整備、レッカーなどの専門作業者向け資料です。一般ユーザーが高電圧の遮断やサービスプラグの取り外しを行うための手順書ではありません。
- トヨタ・レクサス「車両レスキュー時の取り扱い」
- Honda「レスキューガイドライン」
- 日産「レスキュー時の取り扱い」
- スズキ「四輪車レスキューマニュアル」
- SUBARU「ハイブリッド車・EV車 レスキュー・緊急対応時の取り扱い」
- 三菱自動車「緊急時対応マニュアル」
- マツダ「レスキュー時の取り扱い」
- ダイハツ「レスキュー時の取り扱い」
- Audi「Information on accident rescue」
レスキューや搬送作業を行う際は、車名だけで判断せず、車台番号、型式、年式、動力方式に一致する最新資料を確認してください。
本ページは、国土交通省、JAFおよび各自動車メーカーの公式情報を基に、2026年8月2日時点の内容へ更新しています。公開後も、実際の対応時にはリンク先の最新情報と車両の取扱説明書をご確認ください。