バッテリーの日常点検のすすめ

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09/17/2017

車の日常点検

現在では、自家用車(マイカー)の点検は、車検や定期点検以外にも、日常点検が法律【*1】により使用者に義務付けられています。

【*1】道路運送車両法

第四十七条の二  自動車の使用者は、自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない。出典 道路運送車両法 第四十七条の二(日常点検整備)

また、この法律に基づき運輸省令に自動車点検基準として、下記の15項目が定められており、その中の一つに自動車バッテリーに関しての日常点検項目があります。

(日常点検基準)
第一条  道路運送車両法 (昭和二十六年法律第百八十五号。以下「法」という。)
第四十七条の二第一項 の国土交通省令で定める技術上の基準は、次の各号に掲げる自動車の区分に応じ、当該各号に定めるとおりとする。
・・・・・・
二  法第四十八条第一項第三号 に掲げる自動車 別表第二

別表第二 (自家用乗用自動車等の日常点検基準) (第一条関係)

点検箇所点検内容
1 ブレーキ1 ブレーキ・ペダルの踏みしろが適当で、ブレーキのききが十分であること。
2 ブレーキの液量が適当であること。
3 駐車ブレーキ・レバーの引きしろが適当であること。
2 タイヤ1 タイヤの空気圧が適当であること。
2 亀裂及び損傷がないこと。
3 異状な摩耗がないこと。
4 溝の深さが十分であること。
3 バッテリ液量が適当であること。
4 原動機1 冷却水の量が適当であること。
2 エンジン・オイルの量が適当であること。
3 原動機のかかり具合が不良でなく、かつ、異音がないこと。
4 低速及び加速の状態が適当であること。
5 灯火装置及び方向指示器点灯又は点滅具合が不良でなく、かつ、汚れ及び損傷がないこと。
6 ウインド・ウォッシャ及びワイパー1 ウインド・ウォッシャの液量が適当であり、かつ、噴射状態が不良でないこと。
2 ワイパーの払拭状態が不良でないこと。
7 運行において異状が認められた箇所当該箇所に異状がないこと。

 出典:運輸省令自動車点検基準 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26F03901000070.html

バッテリー液量が適当であることとは

自動車点検整備の手引きによれば、バッテリーの液量の確認は、 バッテリ各槽の液量が規定の範囲(UPPER~LOWERなど)にあるかを車両を揺らすなどして点検します。 バッテリー液チェック バッテリ各槽とは、自動車バッテリー(12V)が、下図のように2Vバッテリーが6個直列接続した作りとなっている書く2Vバッテリーのことを言っています。 12Vバッテリー構造

バッテリー液が減るタイミング

自動車バッテリーは、正極に二酸化鉛、負極に海綿状鉛、電解液として希硫酸を使った充放電可能な二次電池です。

車を使用するたびに下記の化学反応で放電と充電が繰り返され、放電のタイミングでは希硫酸(HSO)が減少し水が生成され、充電のタイミングでは、水(H2O)が希硫酸(HSO)に戻りもとのバッテリー容量に戻ります。

放電

Pb + PbO + 2HSO =>2PbSO + 2H

充電

2PbSO + 2HO=>Pb + PbO + 2HSO

充電が完了し元のバッテリー容量まで戻った後、さらに充電(過充電)が行われると、水は水素と酸素に電気分解されて減少していきます。

バッテリーの破裂を防止する点検

バッテリー液がLOWER LEVEL以下になっている場合は、バッテリー内に水素が溜まっている可能性があり、電極の露出も考えられるためショートによるバッテリーの破裂事故の可能性があります。

バッテリー液量の確認は、バッテリー破裂防止のための日常点検項目です。

自動車不具合情報内のバッテリー関連トラブル申告情報

国土交通省が自動車不具合情報ホットライン「連ラクダ」を通じて収集しているバッテリートラブル関連の、ユーザー申告情報を最新情報から20件抜粋致しました。

詳細は、「連ラクダ」=>不具合情報検索の装置名に電気装置を選択して表示されたページ内をバッテリーで検索した情報です。不具合申告内容の報告内容のみ記載しメーカー車種名等は除外してあります。

自動車不具合情報ホットライン

  1. キーをオンにしてすぐに切ると正常に電源がきれず、メーターに漏電してバッテリーが上がる。同メーター使用時、PGM FI警告灯が理由なく点灯する。
  2. バッテリー装置を格納・装着している箱のねじが折れてしまった。
  3. バッテリーから出ているアース線の取付金具がエンジン等の振動により金属疲労をおこして破断したため、最初はエアコンから送風しなくなり、数日後、外出先の駐車場で、パネルに「EPS」の警告灯が点灯し、エンジンが掛からなくなった。
  4. 信号待ち中にアイドリングストップが作動し、約2分後に信号が変わり発進しようとしたがバッテリーが上がり自走できなくなった。メーターパネルにはすべてのランプが表示され、「キーが認識できない」とのメッセージが出たがセルを2回ほど回した後、何の反応もなくなった。
  5. バッテリーイコライザーが搭載された車両で、メーン用のバッテリーが1年持たずに故障する。
  6. バッテリーマイナス端子の接地部分が腐食した。新品に交換後5ヶ月で再発した。
  7. 走行中にバッテリーが故障したため、信号待ちでアイドリングストップが作動した後に、全ての電気装置が動かなくなり、ハザードも点灯出来ない状態の再始動不能になった。
  8. 走行中に発電機のプーリーが脱落したため、エンジンルームよりガタッと音が出た後、メーターのバッテリーインジケーターランプが点灯した。
  9. バッテリーを上げてしまったため、ジャンプスタートを行ってエンジンを始動後、バッテリーに充電をするためにアイドリングのまま停めておいたところ、エンジンルーム内の配線が焼損し、異臭と共に発煙した
  10. バッテリーが上がったので充電をしたところ、充電中に突然警告音が鳴りだした。
  11. バッテリーが沸騰する。
  12. バッテリーが早期に上がる。キーレスの電池が早期にダメになる。
  13. 発電機の不良により、バッテリーが過充電になったため、エンジン始動時に破裂した。
  14. 新品のバッテリーを装着してから半年程度の使用でバッテリーが上がる。
  15. オルタネータの焼損によりバッテリーが上がり、エンジンが始動できなくなった。
  16. 新車のバッテリーが1年持たずに使えなくなる。
  17. 車の使用や保管についてバッテリーが傷むような事をしていないのにもかかわらず、バッテリーが頻繁に上がる。バッテリーを新品に交換しても、再び上がる。
  18. 1ケ月間位使用しないでおくと、必ずバッテリーがあがってしまう。 バッテリーを交換しても症状は変わらない。
  19. ライトの消し忘れなどが無いのに、購入後2年でバッテリーがあがった。
  20. オルタネーターの不良により、何の警告も無く突然バッテリー切れになったため、突然ハンドルやブレーキが操作困難になり、停車した直後にエンストした。

以上 ご参考になりましたら幸いです。 参考:不具合情報一覧 国土交通省|自動車のリコール・不具合情報 クルマの異常を連ラクダ! http://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/index.html

日常点検項目にはありませんが、気になるのはバッテリーの消耗です

バッテリー上がりを起こさない為にも、やはり気になるのはバッテリー消耗状態のチェックです。

従来は、テスターと電解液の比重で確認していましたが、アイドリングストップ車などの充電制御機能に対応したバッテリー状態やハイブリッド車のバッテリーチェックには、対応したより精度の高い専用のバッテリーテスターが必要となっています。バッテリーの消耗が疑われる場合は、ディーラーやカーショップで専用テスターで測定してもらった方が確実です。

【参考】

一般のテスターで計る場合の電圧:エンジン停止状態、電装品の電源を切った状態で測定した場合に12V以上は必要。

比重:バッテリー液の比重が1.25以上は必要。