春の行楽前に行っておきたいバッテリーの点検作業
春はゴールデンウィーク中の旅行やレジャーが目白押し 気をつけよう旅先でのバッテリー上がり
冬場の寒さを抜け、初春~初夏は国民の祝日が多くあり1年の中でも長期休暇が取りやすい季節です。
特に2019年のゴールデンウィークは「天皇の即位の日および即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」の初施行により5月1日(水)が国民の祝日となります。
これにより前後の平日4月30日(火)と5月2日(木)が、「昭和の日」と「憲法記念日」の国民の祝日に挟まれる形となるためこちらも休日となります。
一部企業では10連休といわれており、長期旅行を計画している方も多いのではないでしょうか?
車で遠出を計画している方は、トラブルなくスケジュール通りに旅行をしたいものですね。
春先のバッテリーはダメージを受けている
冬場の低温によるバッテリー化学反応の低下とヒーターやウインドウ・デフォッガー(熱線)、ワイパー多用による電力消費で春先のバッテリーはダメージを受けています。
バッテリー点検なしのまま長期旅行に出発すると、
- ルームライトの消し忘れや半ドアなどのちょっとしたうっかりミス
- エアコンの多用
- 道路渋滞に遭遇した際の徐行運転によるバッテリー充電不足(シビアコンディション)
などで、バッテリーが上がる可能性も高くなり救援が遅れると旅行スケジュールが大きく狂う可能性がでてきます。
春先のお車での旅行前には、バッテリー点検を忘れずに行いましょう。
JAFの過放電バッテリーによるロードサービス救援依頼回数も、年末年始に比べてゴールデンウィーク期間中は出動件数は少なくなるもののまだ1日2500件以上の出動回数があります。
2018年のJAF統計データでは、年末年始の8日間バッテリー上がり救援出動回数27,097件に対して、ゴールデンウィーク期間中8日間のバッテリー上がり救援出動回数は20,229件でした。
出典 :2018年年末 2019年年始のロードサービス救援依頼内容(四輪・二輪)(http://www.jaf.or.jp/rservice/data/2018/season/)
これだけはやっておきたい基本バッテリー点検4項目
バッテリー液面チェックとバッテリー液の補充
まず、道路運送車両法の日常点検整備項目として規定のあるバッテリー液量(電解液)をチェックしましょう。
バッテリーの側面から各セルのバッテリー液面を確認し、UPPER levelとlower levelのマーク内にあることを確認します。
ついでに、各セル内のバッテリー液にばらつきがないことも確認しておきましょう。
バッテリー液量がlower levelを下回っている場合は、入れすぎに注意して精製水やバッテリー補充液で補水しましょう。
なお、MF(メンテナンスフリー)タイプのバッテリーでは、補水の必要はありません。
バッテリー端子の確認と電圧点検
エンジンを停止してからバッテリー端子と取り付け金具の緩みがないことや腐食がないことを確認しておきます。
緩みがあれば金具を閉め増し、端子が腐食している様ならワイヤーブラシで磨いておきましょう。
また、端子に白い粉(硫酸鉛の結晶)が付着しているようでしたらサルフェーションが発生している状態です。
サルフェーション除去装置(安い製品で3,000円程度)を使用してバッテリー内部の極板のサルフェーションも除去しておきましょう。
次にテスターでバッテリー端子間の電圧を測定し端子間の電圧が12.5v~13v程度あるかを確認しましょう。
バッテリー電解液の比重点検
バッテリーが放電すると電解液が希硫酸から水へと変化する化学反応が進み比重が低下します。
そのためバッテリーの消耗は、電解液の比重を確認することで知ることが出来ます。
バッテリー電解液の比重は、20℃で1.25~1.28となっていることを確認します。
比重の確認は、比重計を使うことで簡単にできます。
比重計はホームセンターやカーショップで、1,000円程度で購入できます。
MFバッテリーの場合はバッテリーインジケーターの色で確認できます。
(インジケーターは、比重の違う2個の着色比重ボールにより電解液の比重を色で表示しています。)
例 ACデルコ
インジケーターが緑の場合:蓄電量 70~100%
インジケーターが黒の場合:蓄電量 50~70%
インジケーターが赤の場合:蓄電量 0~50%
バッテリー外観チェック
バッテリーの膨張によるヒビ割れや液もれを確認し排気口キャップの汚れがあれば清掃しておきます。
不安な方は、バッテリースターターの持参がお勧め
現在は問題はないけどバッテリー点検で膨張や電圧・比重の低下が認められ、バッテリー上がりの不安がある方は突然のバッテリー上がりに備えてバッテリースターターの持参をしておきましょう。
携帯用の小型バッテリースターター製品もありますので、遠距離旅行の場合は持参することをお勧めいたします。