カーバッテリーの充電

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完全放電したカーバッテリーを充電する

エンジン始動に問題はないので、完全放電(放電終止電圧10.5Vを下回る0.4Vまで低下)したバッテリーをジャンプスタートした後しばらく使用していました。

短距離の運転が続いていたこともありオルタネーターによる充電が不足していたのか1週間ほど走行後に、夜間走行時ヘッドライトを点灯するとカーナビの画面が暗くなる現象が現れだしました。
充電だけのために長距離走行するのもガソリン代が無駄になりますので、今回は充電器により普通充電を行ってみることにしました。

バッテリー充電条件

完全放電したバッテリーは使用期間4年 型式M-42Rです。念のため、充電作業前に電圧と電解液の比重測定を行います。

充電対象バッテリーの型式: M-42R(アイドリングストップ軽自動車用バッテリー)開放型スターターバッテリー。

M:バッテリー外形寸法区分が標準バッテリーB20と同等。
42:性能ランク
R:端子位置 バッテリーのプラス側短側面からみてプラス端子が右側にあるタイプ
容量:33Ah(5時間率)

充電開始前の端子電圧:12.4V

充電開始前の電解液比重:1.22
カーバッテリー充電作業前電圧カーバッテリー充電開始前比重

使用するカーバッテリー充電器:メルテック SC1200
普通充電機能による充電機能について:充電対象のバッテリーを自動で診断し、適切な充電電流を自動で算出して普通充電する機能を持っています。普通充電とは、バッテリー容量の1/10の電流でバッテリーに負担をかけずに長時間充電する通常の充電方法です。)

作業時の外気温:約15℃

バッテリー普通充電開始

充電開始後、約3時間で充電器の表示上は、満充電(FULL)表示となりました。
普通充電中の充電電流は2.1Aと算出していました。
今回充電対象のM-42Rバッテリーの5時間率(5HR)容量は、33Ahですので、若干低めの充電電流で普通充電を行っています。

カーバッテリー充電中の電流値

バッテリー普通充電後の状態

端子電圧:   13.24V
電解液比重:   1.24

普通充電完了後の端子電圧普通充電完了後の比重

バッテリーの充電について

バッテリーを充電する方法には、普通充電と急速充電の2パターンがあります。

普通充電は、バッテリー容量の1/10の電流で時間をかけてほぼバッテリー容量の100%(満充電)まで充電する方法です。

急速充電は、バッテリー容量と同じ電流を使用し短時間でエンジン始動ができる程度まで充電する方法です。緊急的な充電方法でバッテリーへの負担も大きく30分程度が限界で、30分を超える充電はバッテリーにダメージを与えます。
また、充電時の化学反応により、水素ガスが発生し密閉型バッテリーでは膨張したり破裂する可能性がありますので、密閉型バッテリーは急速充電できません。

端子電圧 電解液比重とバッテリー充電状態の対応

バッテリーの充電状態を端子電圧より把握することができます。
端子電圧と充電状態の対応は、ほぼ以下の通りですが、バッテリーが劣化しているとバッテリー内部抵抗が増加するため端子電圧が正常値でも充電状態が低い場合があります。

端子電圧 13.5V   充電状態 100%
端子電圧 13.2V   充電状態 90%
端子電圧 12.9V   充電状態 80%
端子電圧 12.6V   充電状態 70%
端子電圧 12.3V   充電状態 60%
端子電圧 12.0V   充電状態 50%
端子電圧 11.7V   充電状態 40%
端子電圧 11.4V   充電状態 30%
端子電圧 11.1V   充電状態 20%
端子電圧 10.8V   充電状態 10%
端子電圧 10.5V   充電状態 0%

電解液比重とバッテリー充電状態の対応

バッテリーが放電すると両極板に硫酸鉛(PbSO4)が発生し、電解液中の硫酸(H₂SO₄)が減少し水が生成されるため電解液(希硫酸)の濃度が低下します。

PbO2(陽極)+2H2SO4+Pb(陰極)⇒PbSO4(陽極)+2H2O+PbSO4(陰極)

逆に、充電する場合は、陰極の硫酸鉛は電子を取り込んで鉛に変化し硫酸イオン(SO4⁻)を放出します。陽極の硫酸鉛は、電解液中の水(H2O)と反応して酸化鉛に変化し水素イオン(H+)と硫酸イオン(SO₄⁻)を放出します。放出された硫酸イオン(SO4⁻)と、陽極板から放出された水素イオン(H+)が結合して硫酸(H₂SO₄)となり電解液の濃度が高くなります。

PbSO4(陽極)+2H2O+PbSO4(陰極)⇒PbO2(陽極)+2H2SO4+Pb(陰極)

以上の反応により、バッテリーの充電状態をバッテリー液(希硫酸)の比重を調べることで確認することができます。
電解液比重と充電状態の対応は、ほぼ以下の通りですが、温度により変動します。

比重値 1.280  充電状態 100%
比重値 1.270  充電状態 93.75%
比重値 1.260  充電状態 87.50%
比重値 1.250  充電状態 81.25%
比重値 1.240  充電状態 75.00%
比重値 1.230  充電状態 68.75%
比重値 1.220  充電状態 62.50%
比重値 1.210  充電状態 56.25%
比重値 1.200  充電状態 50.00%
比重値 1.160  充電状態 25.00%
比重値 1.120  充電状態 0.00%

カーバッテリー充電作業の結果

今回の充電作業では、端子電圧(13.24V)からみると90%充電状態まで回復し、電解液の比重(1.24)からみると75%の充電状態まで回復しているという差のある結果になりました。
端子電圧に比べ比重が小さい値となっているのは、メーカー推奨の使用期間を越えて4年間使用しているバッテリー内の極版の劣化が影響している可能性と考えています。

測定箇所充電前充電後
端子電圧12.413.24
比重1.221.24