車フロントガラスエーミング作業について
フロントガラスエーミング作業
エーミング作業とは、衝突被害軽減ブレーキ機能などのASV(先進安全自動車)機能を実現するために取り付けられている赤外線レーザーレーダ、カメラ、ミリ波レーダが正常に動作するために、センサー交換、自動車車体フレーム修正、フロントガラスリペアや交換時に補正整備・調整する作業のことです。
以下は、「自動車整備技術の高度化検討会(H29.3.22) 報告資料」(国土交通省) (https://www.mlit.go.jp/common/001179170.pdf)を加工して作成
以下は「自動車整備技術の高度化の取組み」(国土交通省) (https://www.mlit.go.jp/common/001213456.pdf)を加工して作成
ASV(先進安全自動車)機能の実現方式が各自動車メーカーで異なるため各メーカー専用の機器と手順が必要になります。
そのため、2016年当初は各自動車メーカーディーラーや系列自動車整備工場で行う必要がありましたが、国土交通省の主導で汎用エーミングツールの開発普及と各自動車メーカーのエーミング手順開示が行われ2018年中旬より一般整備工場でも実施可能となる環境作りを行っています。
現在は、2024年から運用が開始されるOBD車検に合わせての実施が検討されています。
国土交通省 OBD車検の現状
国土交通省では、令和6年10月から、自動車の検査(車検)において、衝突被害軽減ブレーキ等の自動運転技術等に用いられる電子制御装置の目に見えない故障に対応するための電子的な検査を開始します。
OBD車検報告書の主な内容
提出されたOBD車検の主な内容は、以下の通りになっており、検査対象装置には、自動ブレーキも含まれています。
(2019年3月13日)目に見えない故障を車検で発見する仕組みとして国土交通省の「車載式故障診断装置を活用した自動車検査手法のあり方検討会」で検討を重ねてきた結果をとりまとめた最終報告書が2019年3月13日に提出されました。
○対象車
2021 年以降の新型の乗用車、バス、トラック※1
○対象装置
[1] 運転支援装置
アンチロックブレーキシステム(ABS)、横滑り防止装置(ESC)、ブレーキアシスト、自動ブレーキ、車両接近通報
[2] 自動運転機能※2
自動車線維持、自動駐車、自動車線変更など
[3] 排ガス関係装置○検査開始時期
2024 年※3※1:認証を受けた自動車に限る。輸入車は2022年以降の新型車
※2:保安基準に規定があるものに限る
※3:輸入車は2025年
出典:国土交通省ホームページ (https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha09_hh_000209.html)
自動車の電子的な検査(OBD検査)
自動車の電子的な検査(OBD検査)について(国土交通省WEBサイト)にまとめられています。
自動ブレーキに関連するOBD車検
最終報告書の中では、フロントガラス内側に装着される自動ブレーキ用監視カメラの検査に関しては、以下の様な報告がなされています。
制御における異常値を検知することはできるが、それのみをもって『故障』(損傷等により不可逆な異常に陥り、修理や交換が必要な状態をいう。以下同じ。)と断定できない。
ただし、同じ異常が再現される、再始動後も異常が継続する等により『故障』であると推断可能な「異常」もある。
【一時的な「異常」の例】
カメラ前方のガラスに水滴が付着し、前方センシングが(一時的に)機能しない状態を、ECU は「異常」と判断し、カメラからの入力に基づく制御を一時的に停止(フェールセーフ)するとともに、警告灯を点灯し、その旨をドライバーに報知する。この時、システムは(一時的に)「異常」状態にあるが、水滴がなくなれば、「正常」に復帰できるため、「故障」ではない。
出典:国土交通省ホームページ (https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha09_hh_000209.html)
出典:国土交通省ホームページの内容を加工して利用 (https://www.mlit.go.jp/common/001213456.pdf)
エーミング関連の参考情報
エーミングに関する情報を掲載するサイトへのリンク一覧です。
エーミングに関する情報や自動車整備工場での作業実績の掲載もそれほど多くなく、まだ普及段階であることが伺えます。
エーミング作業に必要な機器の導入も60万円程度との情報もありましたので、一般整備工場への導入はもう少し時間がかかってくると考えられます。
また、ASV機能対応車種の事故修理やフロントガラス交換時には、エーミング作業等の費用負担が増えることも考慮して自動車保険加入プランを決める必要が出てきますね。